栄進ブログ

2023年01月04日

無限大の賞金が得られるゲームがあったら

こんにちは講師の生澤です。

今回はあるパラドックスを紹介します。

 

コイントスを表がでるまで行い、いつ表がでるかによりもらえる賞金が変わるゲームがあるとします。

例えば、1回目で表が出たら2円、2回目で表が出たら4円、3回目で表が出たら8円、4回目なら16円、5回目なら32円と変化していきます。

もし、10回目に表がでれば1024円もらえ、20回目に表が出れば104万8576円もらえます。

しかし、10回目に表が出る確率は1024分の1で、20回目に表が出る確率は104万8576分の1です。

つまり、高額が当たるようになるほど当たる確率は下がります。

 

ではこのゲームは参加費がいくらであれば参加したほうが得なのでしょうか?

100万円以上もらえる可能性があるので1万円でも参加すべきなのか?それとも全然もらえない可能性もあるから参加すべきではないのか?

 

 

しかし、計算すると参加費がいくらであっても参加したほうが得という結果になります。

 

これはゲームで大体いくらくらいの賞金がもらえるのか(期待値)を計算すればわかります。

例えば、表が出れば100円、裏が出れば200円もらえるゲームでは、2分の1で200円がもらえ、2分の1で100円がもらえます。

よって期待値は1/2×200+1/2×100=150になり、1回あたりのゲームで大体150円もらえることになります。なので、このゲームなら参加費が150円より下なら参加すれば得ということになります。

つまり、参加費がゲームで得られる期待値より上か下かで得か損かが決まります。

 

ここで最初の問題の期待値を計算してみましょう。2分の1で2円、4分の1で4円、8分の1で8円・・・と続くので

1/2×2+1/4×4+1/8×8+・・・1/1024×1024+・・・=∞

全ての項が1になり1+1+1+・・・=∞なので期待値は無限大になります。

 

では実際に1回100万円でこのゲームが開催されていれば参加したほうが良いのかという話になると答えは違います。理論上では無限回の試行回数がありましたが、実際には資金の上限があり何回も参加できません。参加回数が増えるほど賞金の平均値も増加するので、参加回数により適切な参加費が決まります。

 

このように、確率が極めて低い確率で大きな利益が得られるような事例で期待値が発散するのをサンクトペテルブルクのパラドックスと言います。

 

 

参照

youtube るーいのゆっくり科学

https://www.youtube.com/watch?v=KYCdr7rbMsY

 

 

 

 

 

 

 

 

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